先進事例から考える「働き方改革」のあるべき姿

改革は「法的対応」と「人事・業務改革」に分けることを第2章でお勧めしました。

 

前章では法的対応について述べましたが、本章では人事・業務改革について、中小企業の3つの先進事例を通じて「働き方改革」のあるべき姿を提示させていただきます。

 

 

現在の自社の状況や社長としてのご自身の立場に置き換えて、改革のヒントをつかんでください。

 

事例①女性活躍推進
株式会社ファースト・コラボレーション
(不動産業・高知県高知市・従業員数57名)
http://www.first-1.jp/

 

(経営課題)
エイブル(不動産賃貸業)のFC企業。

もともと2社の合併によりできた会社のため社員同士の価値観が合わず、創業3年間の離職率は20%超え。

人事改革、とくに女性が働き続けられる職場環境の整備に取組む必要があった。

 

(実行内容)
・女性社員同士で退職を防ぐための解決策や改善点を話し合い、「働くママさん計画」と名付けられた施策を実施。

勤務時間や勤務日、勤務日数は本人の自由とし、残業および会議は免除。子供最優先で親子出社や社員による子守などを女性社員自身が決め実践。

 

・約8ヶ月かけて社員と共にディスカッションを重ね、 経営理念を作成。採用基準は経営理念・社風に合う人材かどうかを重視。

新卒採用時は、社員全員が各学生と触れ合い、社風に合うか、波長が合うか、長く一緒に仕事ができるか、社員全員のOKが出た学生を採用。

 

(改革の成果)
女性社員の産休・育休復帰率が100%となり、定着率が向上。これに伴い、女性活躍が可能な働きやすい職場として認知され、採用時の女性エントリー数が安定した。

女性活躍ができる職場として様々な取材を受け、全国的に知名度が向上。

結果、経済産業省「おもてなし経営企業選」、四国経済産業局「第1回四国でいちばん大切にしたい会社奨励賞」など数々の栄誉に輝く。

離職率も数年にわたってゼロを維持している。

 

(ポイント)
人材育成や組織論において「多様性」というキーワードが流行しているように、現代は様々な立場の人の価値観の尊重が求められています。会社にも時代の要請に社風を合わせる柔軟性が必要になります。

トップがリーダーシップを発揮して改革を推進し成果を出すことは、その企業のブランディングを促進し、環境の変化に強い企業体質を育てます。

自社の経営方針が時代の要請に本当に応えているかどうか、改めて考えてみましょう。

 

※紹介事例の参考文献
「中小企業・小規模事業者の人手不足対応事例集」
(経済産業省:中小企業・小規模事業者の人手不足対応研究会 2017)

 

(つづく)