人を育てる仕組みを整える(働き方改革の先進事例)

(前回のつづき)

 

事例③人材育成による収益力向上
株式会社いせん(越後湯澤HATAGO井仙)
(旅館業・新潟県湯沢町・従業員数32名)
http://hatago-isen.jp/

 

(経営課題)
慢性的な人手不足の状況下で、従業員が無理なく働ける仕組みを作っていきたいと考えた。

 

(実行内容)
業務の負担を軽減できるよう、仕事内容の見直しを行った。

本業の旅館業以外にも飲食業、物販業、旅行業、製造業など様々な事業を行っているため、多能工化を積極的に推進することで、事業の枠にとらわれず自身にあった働き方や勤務体系を豊富に検討できるようにした。

また、そうした仕組みの前提として「組織力向上研修」や「リーダー研修」など社員教育に力を入れた。

 

(改革の成果)
10年間で売上、従業員数は3倍に成長。

事業の枠を超えた多能工化の推進により、従業員の働き方や勤務体系を考える幅が広がった。

 

 

(ポイント)
中小企業における多能工化は、業務改革の選択肢の一つとして検討する価値があります。

 

多能工化が機能すると人手不足のリスクヘッジやチームワークの向上につながり、年休の付与義務、長時間労働の是正といった課題の解決に役立ちます。

取組みの過程では、生産性の向上を支援するITツールも力を発揮するでしょう。

 

さらに、こうした改革の機会を捉えて、人材育成の仕組みを整えるのも企業の持続可能性を高める意味で大変重要です。

 

たとえば、異なる立場の社員の成長を支援する人事制度を導入することで、人材の定着による業績向上と正規・非正規雇用の待遇格差の問題に同時に対応することも可能となります。

 

※紹介事例の参考文献
「中小企業・小規模事業者の人手不足対応事例集」
(経済産業省:中小企業・小規模事業者の人手不足対応研究会 2017)